アルミ砂型鋳物による試作鋳造について

当コラムでは、アルミ砂型鋳物による試作鋳造について紹介させて頂きますので、是非ご確認ください。

アルミ砂型鋳物の試作鋳造の流れ

アルミ砂型鋳物の製作は概ね次のような流れになります。

 ① お問い合わせ
 ② 概略の費用、リードタイムのご回答
 ③ 製品形状データの受け渡し
 ④ 鋳物形状、方案の設計および鋳造解析
 ⑤ 木型製作
 ⑥ トライ鋳造による寸法、形状および品質確認
 ⑦ 鋳造→熱処理→仕上げ→検査
 ⑧ 出荷

弊社の特長としましては、鋳造方案設計から木型製作、鋳造、熱処理まで社内一貫体制で対応が可能という点です。従いまして、効率的な日程計画を組むことができ、リードタイム短縮が可能となります。

 

アルミ砂型鋳物での試作鋳造のポイント

アルミ砂型鋳物は主に量産品の製造を行う前の試作評価用に供試されます。試作段階では設計変更が多々あるため、形状変更への対応が容易な砂型鋳物が用いられます。場合によっては、量産品と同じ鋳造法(ダイカスト、金型)で試作を行う場合もあります。

近年、自動車の鋳物部品はダイカスト製品が主体となっています。ダイカストと砂型鋳造では鋳造方法が異なるため、鋳物の寸法精度や材料特性などが違います。主な違いは次のような点です。

 

①肉厚、寸法精度

ダイカストに比べると砂型は鋳型の造型および組付け時の精度が低くなります。弊社では、長年にわたる木型製作の経験とノウハウを活かして寸法精度の優れた砂型鋳物の製造に取り組んでおります。

 

② 鋳物の材料特性

ダイカストと砂型鋳造では、溶湯が凝固する際の凝固速度が異なります。ダイカストは肉厚にもよりますが、凝固速度は100℃/秒レベルです。一方、砂型鋳物の凝固速度は1℃/秒以下です。
この結果、砂型鋳物は凝固した組織の粗さが粗くなります。凝固組織が粗くなることにより、材料の機械的性質(特に疲れ強さ、伸び)が低下します。ヤング率(縦弾性係数)は主に合金成分の影響が大きいため、ダイカストと砂型鋳物で大差はありません。

 

③ 鋳巣

ダイカストは数十MPaの圧力をかけて鋳造します。一方、砂型鋳造は大気圧下で凝固させます。一見、ダイカストの方が鋳巣が少ないように思われますが、鋳巣の発生にはどちらも鋳造条件と鋳造方案が大きく影響します。
弊社では湯流れ、凝固解析を用いて鋳造方案を設計しております。また、溶湯処理をしっかりと実施して、鋳巣の少ない鋳物づくりを行っております。

砂型鋳造で実現するADC12合金を用いた試作鋳造

ダイカスト品の90%以上はADC12合金で製造されています。そのため、試作の砂型鋳物でもADC12合金のご指定をいただく場合があります。砂型鋳造でADC12合金を試作する際、次のような課題があります。

 

①材料強度が異なる

ダイカストは凝固速度が速く、鋳造時にCuがアルミ基地中に固溶します。その後、固溶したCuは自然時効により析出し、強度、硬さが高くなります。一方、砂型鋳造ではCuはほとんど固溶しません。そのためダイカストに比べて強度、硬さは低くなります。
ADC12ダイカスト品に近い強度、硬さを確保するために、砂型鋳物では熱処理を行います。弊社は社内で熱処理を行っており、特殊な熱処理条件で処理することが可能です。ダイカストと全く同じ材料特性にすることは難しいですが、できるだけ近い特性にすることは可能です。

 

②鋳巣(引け巣)

ADC12はダイカスト用の合金です。ダイカストは高圧で鋳造するため、アルミ溶湯と金型が焼付き(凝着)ます。焼付きの防止のために、ADC12にはFeが1%弱入っています。しかし、砂型鋳造ではFe含有量が多いと鋳巣(引け巣)が発生しやすくなります。特にSi含有量が多いADC12では、粗大な引け巣が発生する場合があります。引け巣の発生を抑制するために、凝固の早い段階でしっかりと押湯を効かせる必要があります。弊社では事前に凝固解析を行い、最適な鋳造方案設計を行っております。

 

③寸法精度

材料強度をダイカストに近づけるために熱処理(T6)を行います。熱処理を行うと製品の変形(歪み)が発生する場合があります。その際は変形を修正し、寸法検査を行ったうえで出荷しております。

アルミ試作鋳造は、当社にご相談ください!

今回は、アルミ砂型鋳物による試作鋳造についてご紹介させて頂きました。
当社は、試作鋳造の委託先として選ばれています。短納期対応も可能となっていますので、試作鋳造の委託先をお探しの皆様、是非当社にご相談ください。

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