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鋳物“寸法公差” 最適化ナビ

鋳物において寸法精度の向上は、機械加工レスを実現などのメリットにつながります。しかし、砂型鋳造の寸法公差はダイカスト、ロストワックスと比較し劣り、寸法精度の問題で砂型鋳造を避けているという方もおおいのではないでしょうか?ここでは、鋳物の寸法公差を最適化するためのポイントについてご説明します。

寸法公差とは?

単位:mm

備考
*1 公差等級CT1~CT15における肉厚に対して、1等級大きい公差等級を適用する。
*2 16mmまでの寸法に対してCT13~CT16までの普通公差は適用しないので、これらの寸法には、個々の公差を指示する。
*3 等級CT16は、一般にCT15を指示した鋳造品の肉厚に対してだけ通用する。

※参考:鋳造品-寸法公差方式及び削り代方式 URL:https://kikakurui.com/b0/B0403-1995-01.html


寸法公差とは、図面で指示された寸法に対して許される誤差の範囲のことです。部品を製造する上で、寸法誤差は大なり小なり必ず生じます。生産した部品を使用する際に問題が不具合が生じないように、誤差の最大値と最小値を定めますが、最大値と最小値の差が公差です。鋳物の寸法公差はJIS B 0403:1995にて規定されています。この鋳造公差等級は、CT1~CT16まであり、基準寸法に対するそれぞれの公差も定められます。

各鋳造方法の寸法公差

規定されている寸法公差は、各鋳造方法により異なります。例えばアルミの場合、砂型鋳造ではCT6-8、ダイカストではCT5-7、ロストワックスではCT4-6と規定されていますが、実際は砂型鋳造ではCT9-12程度での指示が一般的です。寸法精度という面で、一般的には、ダイカスト、ロストワックスと比較し、砂型鋳造は大きく劣ると認識されています。

寸法公差最適化のポイント

上述の通り、砂型鋳造の寸法公差はダイカスト、ロストワックスより低く規定されており、実際に寸法精度が悪いと言われています。しかし、アルミ鋳物 課題解決センターの砂型鋳造は、ダイカスト、ロストワックス並みの寸法公差で鋳造することが可能です。寸法公差を最適化し、寸法精度を向上させるためのポイントを、3つご紹介します。

Point1

木型の傾向修正により
鋳造品寸法の微調整を図る

鋳物を量産する前に、寸法精度や鋳造欠陥や歪み有無を確認するため、すべての案件においてトライ鋳造を行います。トライ鋳造により成型した鋳物は寸法測定を行い、公差規格値内に入っているか検証したうえで量産化し、お客様に納品することが一般的です。

寸法に関しては、トライ鋳造品を3Dスキャナーを用いて非接触にて測定します。測定結果を図面データと照らし合わせて、加工基準から図面許容値を満足しているか検証、修正必要部位を木型に反映し、本生産に入ります。

つまり、木型の傾向修正が寸法公差を最適化する上では非常に重要となります。

具体的には、寸法測定の結果、誤差が+傾向に出た場合は木型を削り微調整を行い、-傾向が出た場合は樹脂で肉盛り後切削し微調整、というような作業です。木型製作技術が求められる重要工程となります。

Point2

製品形状を加味して、
最適な伸び尺を選定する

アルミ鋳造用木型は、鋳造の際、溶けたアルミの熱膨張分を加味して、木型に伸び尺を加え製作します。

アルミの熱膨張率は材質によっても異なりますが、製品形状によっても異なります。例えば、100mm角の製品では10~11/1000mmの伸尺を選定しますが、600mm角程度の製品では12/1000を選定するなど、使用する伸び尺が異なってきます。

又、一律に変化するわけではなく、形状により、膨張率は変動します。

伸び尺が不適切だと、寸法がバラツキ、規定寸法公差から外れてしまうリスクが発生します。

しかし、伸び尺の選定には知見・ノウハウが必要です。

上述した通り、製品形状により最適な伸び尺が変わりますので、十分な知見を持つ鋳造メーカーを選定することが重要となります。

当社では、これまで製作した鋳物の伸尺、検査記録のエビデンスを残し管理しており、そのデータをもとに伸び尺を選定しますので、高い寸法精度の鋳物を製作することが可能となっています。寸法公差にお悩みの皆様、お気軽に当社に御相談ください。

Point3

寸法確認治具を作成し
個体毎にバラツキがでた場合の矯正を行う

検査冶具|アルミ精密鋳造 試作センター.com

木型の傾向修正や最適な伸び尺の選定により寸法公差を最適化した場合でも、量産時には個体毎に寸法のばらつきが生じてしまう場合があります。そのため、鋳造後の寸法矯正も、各個体において寸法公差を最適化するうえでの重要なポイントです。

寸法確認冶具を用いて寸法管理し、万が一規定公差内から外れた場合は、熟練した作業者による微細な調整が必要となります。

つまり、全ての鋳造品の寸法公差を最適化するためには、寸法確認冶具を用いて検査を行っており、熟練した作業者により歪み矯正が可能な企業を選定することも重要です。

弊社では寸法のバラツキが少ない素材を提供するため、寸法確認用の治具を全種製作し寸法管理を行い、素材を提供しています。また、加工メーカー、又はお客様に加工基準、加工治具の受けを確認させて頂き、素材でも機械加工と同様の位置を寸法基準とし、寸法保証をしています。

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