砂型の分類とフラン鋳型

当技術コラムでは、鋳物を製造するために必要な砂型の分類をご説明します。また、 アルミ鋳物 課題解決センターが使用するフラン鋳型についてもご紹介します。

鋳型の分類

アルミ鋳物の鋳型には繰り返し使用可能な金型とその都度造型する一回型(主に砂型)が

あります。鋳型の分類は以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂型鋳造とは違う工法でダイカストがありますが、ダイカストとは金型鋳造という意味英語でありダイ(Die)は金型、カスト(Cast)は鋳造を表します。

日本でいう通常のダイカストは、英語でHighPressureDieCast(高圧金型鋳造)と言われます。

砂型の分類

砂型には生型(生砂)、無機鋳型、有機鋳型、特殊鋳型があります。一般的に砂としては砂場や川、海にある砂、すなわち珪砂を使用しています。特殊な例として珪砂の他にジルコン砂や人工砂を使う場合もあります。

砂型を製作するうえで、砂だけでは固まらないため、粘結剤(樹脂)と硬化剤を一緒に混練し、樹脂を硬化させて固めます。

生型は粘結剤として粘土が使われる。粘土の他に黒鉛粉末、コンスターチ、水などを加えて製作します。無機鋳型としては炭酸ガス鋳型があり、砂と水ガラスを混練して造型し、炭酸ガスを流して鋳型を硬化させます。 

フラン鋳型

アルミ鋳物 課題解決センターを運営するマルサン木型製作所で使用している砂型はフラン型であり、国内で最も多く採用されている造型法です。

フラン型はフラン樹脂を粘結剤にして有機スルホン酸などの酸を硬化剤として硬化させます。鋳型の強度は添加するフラン樹脂の添加量に依存します。硬化速度は一般的に有機スルホン酸の濃度により決まります

フラン型の利点

 ・樹脂粘性が低く、樹脂添加量も少ないため、混練砂の流動性が良く型込めが容易。

 ・可使時間、抜型時間の設定が容易で、鋳型サイズ、形状の適用範囲が広い。

 ・バラシ時の砂の崩壊性が良い。

 ・砂の再生歩留りが良い。

フラン型の欠点

 ・砂中の粘土分、微粉分、アルカリ分の量により硬化速度が変化しやすい。

 ・気温、砂温、湿度などの造型条件により硬化速度、鋳型強度が影響を受けやすい。

  気温、砂温に対する可使時間、抜型時間と硬化剤量の関係を表1に示す。

 ・注湯時の発生する二硫化硫黄により作業環境は良くない。

 ・尿素樹脂の含有量が多い粘結剤は鋳物にピンホールを発生させる。

  鋳型内で発生したガスの圧力が高くなるとガスが溶湯中に入り込みガス欠陥となる。

アルミ鋳物に関する無理難題の解決は当社にお任せください!

砂型の分類やフラン鋳型について、ご理解頂けましたでしょうか?

アルミ鋳物 課題解決センターを運営するマルサン木型製作所は、ダイカスト・ロストワックスと同等の品質で砂型鋳造を行う鋳造メーカーです。これまで、培ってきた技術・ノウハウを生かし、皆様の無理難題にお応えしてまいりました。

アルミ鋳物に関してお悩みをお持ちの皆様、お気軽に当社に御相談ください!

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