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アルミニウム合金には様々な種類があり、それぞれ機械的性質(強度)が異なります。例えば、アルミニウム合金鋳造の一つであるAC3A(Al-Si系)は薄肉・複雑形状の鋳物の製造に適しており、流動性もよく、鋳造もしやすい材質になります。しかし、加工性・機械的強度は悪いという点があります。このように、アルミニウム合金は製品の仕様・用途に合わせて材質選定する必要があります。また、アルミ鋳物 課題解決センターを運用する株式会社マルサン木型製作所では、アルミニウム合金鋳造だけでなく、アルミニウム合金ダイカストにおいても選定が可能です。機械的性質“最適化”対策ナビでは、アルミニウム合金の材質選定のポイントをご説明します。
下記は、アルミニウム合金の種類・特徴・用途の一覧表です。
合金系
JIS 記号
特徴
主な用途
Al-Cu-Mg 系
AC1B
機械的性質に優れ、切削性も優れる。耐食性、鋳造性に劣る。
架線用部品、重電機部品、自動車部品、航空機部品など。
Al-Cu-Si 系
AC2A,AC2B
鋳造性がよく、引張強さは高いが、伸びが低い。
マニーホールド、デフキャリア、ポンプボディ、シリンダヘッド、自動車用足回り部品など。
Al-Si 系
AC3A
流動性がよく、耐食性、溶接性に優れるが、機械的性質、被削性に劣る。
ケース・カバー、ハウジングなどの薄肉、複雑形状の部品、カーテンウォール。
Al-Si-Mg 系
AC4A,AC4C,AC4CH
鋳造性、耐食性、強度、靭性に優れている。特にAC4CHは不純物を抑えた規格のため、不良処理、熱処理により非常に高い伸びを示す。
マニーホールド、ブレーキドラム、ミッションケース、クラッチケース、ギヤボックスなど。AC4CHは自動車ホイール、航空機用エンジン部品など。
Al-Si-Cu 系
AC4B
耐食性に劣るが鋳造性に優れる。引張強さは高いが、伸びが低い。
クランクケース、シリンダーヘッド、マニホールドなどの自動車用部品。航空機用電装部品。
Al-Si-Cu-Mg 系
AC4D
鋳造性に優れ、機械的性質もよい。耐圧性が要求される部品に適する。
水冷シリンダヘッド、クランクケース、シリンダブロック、燃料ポンプボディなど。
Al-Cu-Ni-Mg 系
AC5A
高温強度、切削性、耐摩耗性に優れる。鋳造性がよくない。
空冷シリンダヘッド、ディーゼル機器用ピストン、航空機用エンジン部品など。
Al-Mg 系
AC7A
耐食性、機械的性質、切削性に優れるが鋳造性はよくない。
架線金具、船舶用部品、事務機器、航空機用電装部品など。
Al-Si-Cu-Ni-Mg 系
AC8A,AC8B,AC8C
熱膨張係数が小さく、耐摩耗性、耐熱性に優れる。鋳造性が良好である。AC8CはNi無添加。
自動車用ピストン、プーリー、軸受けなど。
AC9A,AC9B
耐熱性、耐摩耗性に優れ、熱膨張係数が小さい。
ピストン、空冷シリンダなど。
引用:西 直美 (著) 平塚 貞人 (著)(2015),トコトンやさしい鋳造の本とことん優しい,日刊工業新聞社
上述の通り、アルミニウム合金の材料選定は、各材質の特徴を理解し、製品の仕様・用途に合わせて選定することが非常に重要です。アルミ鋳物 課題解決センターを運用する株式会社マルサン木型製作所では、アルミニウム合金鋳造、アルミニウム合金ダイカスト、また耐摩耗性の高いNH42材においても、様々な知見がございます。下記、機械的性質“最適化”においてのポイントをご紹介いたします。
機械的性質を最適化するための重要なポイントとして、適切な材料の選定が挙げられます。機械的性質については、下記の指標が重要となります。
①引張強度アルミ鋳物定形試験片(JIS4号)が破断した際の最大荷重(N)に初期断面積(mm2)を割ったもの
②0.2%耐力荷重を除荷しても0.2%の塑性変形が残る応力
③伸び破断後の試験片がどのくらい伸びたか
鋳物の用途により、これら3つの指標において求められる数値が変わります。まずは、スペックを検討したうえで、ご要望を満たすことができる材質選定を行ってください。
※各アルミ材質の機械的性質については、表を参考にしてください。
①引張強度、②0.2%耐力、③伸びのスペックを決定しアルミ材質を選定した後、それらの指標をもとに熱処理条件を最適化する必要があります。熱処理には、JISに規定のあるT4~T6の他、特殊条件でもあるT7(溶体化処理+時効処理)もございますので、スペックをもとに熱処理条件を選定してください。
機械的性質を最適化する上で、適切な熱処理条件を選定することは重要ではありますが、専門的知識が要求されます。そのため、熱処理や材料に知見を持つ砂型鋳造メーカーを選定することも重要となります。
アルミ鋳物 課題解決センターでは、熱処理設備を自社で保有しておりますので、ご要望の材料スペックに合わせた熱処理条件をご提案させていただくことができます。また、大手自動車メーカーにて材料開発を担当した技術顧問が常駐していますので、お気軽にご相談ください。
鋳造欠陥(鋳巣、ガス欠陥、ひけ巣)など、これらがアルミ鋳物上に存在することで鋳造欠陥を起点に破断が起きます。すなわち鋳造欠陥があると引張強さが変化してしまい、引張強度と伸びの値に悪影響を及ぼすことになります。
方案の鋳造解析(流動解析、凝固解析)を行い、かつ溶湯の微細化処理で鋳造条件のトライを繰り返し行うことで、鋳造欠陥を回避した鋳物を製造することが、機械的性質の最適化につながります。
これまで、アルミ鋳物 課題解決センターを運営するマルサン木型製作所が行ってきた鋳巣対策の事例をご紹介します。
製品の仕様・用途に沿った最適な機械的性質にてご対応いたします!
アルミ鋳物 課題解決センターを運営するマルサン木型製作所は、お客様のご要望に合わせた“無理難題”に対応し、皆様に選ばれ続けてきました。製品に合わせた最適な材質において対応させて頂きますので、アルミ鋳物 課題解決センターにご相談下さい。
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アルミ鋳物 課題解決センターを運営するマルサン木型製作所は、 ”無理難題”に挑み続ける社風を醸成し、試作・小ロット製品における皆様の課題を解決してきました。 私たちの砂型鋳造技術で、必ず皆様の課題を解決します。お気軽にご相談ください。
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