アルミ鋳造品の熱処理による強化メカニズムと機械的性質

当技術コラムでは、アルミ鋳造品の熱処理による強化メカニズムと機械的性質についてご紹介します。熱処理は、機械的性質を最適化するための重要工程となります。是非参考にしてください。

 

 

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熱処理 ハンドブック

アルミ鋳造品と熱処理

強度、硬さが低い材料は小さな荷重で変形したり破断するため、種々の手段で材料強度を向上させて使用される場合が多く、材料強度向上の一つの手段が熱処理です。

アルミ鋳物の熱処理と種類について、下記にて詳しくご紹介していますので、ご確認ください。

>>”アルミ鋳物の熱処理とその種類について”はこちら

アルミ鋳造品の熱処理による強化メカニズム

熱処理によりアルミ鋳物の強度が高くなるメカニズムは「析出硬化」と言われています。

鋳物を切断して表面をきれいに研磨して金属顕微鏡で観察すると、アルミの金属組織が見えます。

以下にアルミ鋳物の金属組織写真を示します。F材も熱処理材もこの程度の倍率では組織的に大差はありません。

 

 

 

 

 

しかし、TEMと言われる電子顕微鏡で20万倍の倍率で観察すると、熱処理材には微細な球状や棒状の物質が観察されます。これらを析出物と呼びます。析出物は前述の時効処理をすることで出現し、この微細な析出物により金属の変形が抑えられ、強度が高くなります。

 

 

 

 

 

 

熱処理条件とアルミ鋳造品の機械的性質

アルミ鋳物の機械的性質(硬さ、強度、伸びなど)は基本的にはCu、Mgなどの含有量と熱処理条件によって変化します。これ以外に組織の粗さや鋳造欠陥の量にも影響されます。

材料強度に及ぼす熱処理条件の影響には主に次のようなものがあります。

 

①温度が高いほど、時間が長いほど強度、硬さは高くなります。ただし、温度が高すぎる場合はバーニングにより強度、伸びは低下します。

 

②焼入れ水の温度が低いほど、冷却速度が速くなり強度、硬さは高くなります。ただし、冷却水の温度が低いと、残留応力の増加やひずみ、割れが発生しやすくなります。ひずみ防止のためには温水で焼入れます。この場合、強度、硬さは若干低くなります。

 

③溶体化処理後、焼入れするまでに時間がかかり温度が下がると硬さは低くなります。

④時効条件の違いにより硬さは複雑に変化します。一般的に時効温度が高いほど、短時間で硬さが上がります。また、溶体化→焼入れ後に半日(12時間)程度以上、室温に放置してから時効処理すると硬さが変化します。

AC4C合金の場合は、室温放置してから時効処理すると硬さは低くなります。

以下に時効処理条件と機械的性質の関係を示します。時効処理の温度が高いほど、時間が長いほど強度、硬さは高くなります。ただし、時効処理で長時間加熱した場合、強度、硬さは徐々に低下します。この現象を「過時効」と呼びます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アルミ鋳造品の熱処理による強化メカニズムと機械的性質について、ご理解頂けましたでしょうか。

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