アルミ鋳物の製造工程

当技術コラムでは、アルミ鋳物の製造工程をご紹介します。是非、参考にしてください。

①木型製作

客先からの製品データをもとに抜き勾配、湯道などを追加したCADデータを設計し、木型を加工製作します。湯道、押湯など製品部以外を「方案」と言います。木型製作に関しては、動画でもご紹介していますので、是非ご確認ください。

>>木型製作の動画はこちらから!

②砂型造型

製作した木型に砂を込めて、木型を抜いて鋳造用の鋳型を造型(ぞうけい)します。砂に粘結剤としてのフラン樹脂と樹脂の硬化剤を混ぜて混練することで、時間が経つと鋳型が硬化します。

③溶解

指示された材料を溶解炉で溶解し溶湯の品質向上のため脱ガス処理やフラックス処理を行います。溶解温度は720~780℃程度。溶湯に湿った材料や冶具を投入すると水蒸気爆発が起き、溶湯が飛び散るため注意が必要です。

④鋳造

造型した鋳型に溶けたアルミを注湯し、溶けたアルミが固まった後に鋳型を壊して鋳物を取り出します。その後、製品部以外の方案を切断除去します。溶湯は静かに素早く流し込むことがポイントです。

⑤仕上げ

ショットブラストにより鋳物の表面をきれいにし、グラインダーでバリ取りを行います。

⑥熱処理

熱処理が必要なものは材質ごとに決められた条件で熱処理を行って硬さを調整します。

当社のアルミ鋳物製作事例

アルミ鋳物 課題解決センターを運営するマルサン木型製作所では、本社工場にて木型製作を行い、その後田戸工場にて鋳造を行っております。当社がこの製造工程により製作したアルミ鋳物をご紹介します。

 

自動車用モーターケース

自動車に搭載するモーターケースを製作した事例です。円筒形状にウォータージャケットが入るため、内側と外側の肉厚を均一にすることが困難な製品でした。しかし、木型製造と鋳造を一貫して行っている当社では、鋳造による歪みなどの問題を考慮し木型の修正を行うことが可能であり、また鋳造解析や過去類似データを用いた設計技術、検査冶具の内製と熟練した作業者による歪み取りなどの強みにより、当モーターケースの製作を実現しました。
>>モーターケース製作事例について、詳しくはこちら!

 

自動車用ハウジングコンバーター

自動車に搭載するハウジングコンバーターを製作した事例です。HV・EV車においては、駆動系部品の軽量化が求められています。アルミを使用することはもちろん、薄肉で製作することによる軽量化が必要となる一方、高負荷に耐えるためボス回りは厚肉で製造する必要があります。鋳造解析を駆使した方案立案と、培ってきた金型設計技術により、湯回り不良や鋳巣を回避し、高品質に製作した事例となります。
>>ハウジングコンバーター製作事例について、詳しくはこちら!

 

鉄道用ファンローター

鉄道部品のファンローターを製作した事例です。本製品はアルミの中にブッシュ(鋳鉄)を鋳包み鋳造する必要があり、アルミとブッシュの巻き付きが非常に重要となります。アルミと異材部品との鋳造において多数の実績があり、特に高い密着性に自信を持っております。今回のファンローター製作においても木型製作の過程で鋳造方案の流動解析を元に、異材部分の湯流れを検証したうえでのアルミ注湯条件や方案湯道を決めていき、製作しました。
>>鉄道用ファンローター製作事例について、詳しくはこちら!

アルミ鋳物に関する無理難題の解決は当社にお任せください!

アルミ鋳物 課題解決センターを運営するマルサン木型製作所は、ダイカスト・ロストワックスと同等の品質で砂型鋳造を行う鋳造メーカーです。これまで、培ってきた技術・ノウハウを生かし、皆様の無理難題にお応えしてまいりました。

アルミ鋳物に関してお悩みをお持ちの皆様、お気軽に当社に御相談ください!

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