AC3Aの鋳造!材質の特徴

当コラムでは、AC3A材の鋳造について解説いたします。

AC3Aの化学成分について

鋳物用合金のAC3Aとダイカスト用の類似合金のADC1の化学成分を表1に示します。

AC3A合金はSi含有量が10.0~13.0%の、いわゆるAl-Si共晶型合金です。Si含有量が12.6%の場合を共晶組成と呼び、それよりもSi量が低い場合を亜共晶、高い場合を過共晶と呼びます。
通常のアルミ鋳物用合金で含有しているCuおよびMgは含有しておらず、不純物扱いとなります。

ダイカスト用の類似合金のADC1も共晶型合金です。ダイカスト合金の場合は鋳物用合金に比べて、不純物の許容値が高く、特にFeは金型との焼付き防止のために高めに含有しています。

AC3Aの組織

Al-Si共晶合金であるAC3Aの凝固組織を図1に示します。亜共晶合金と過共晶合金の組織も比較しています。

亜共晶合金の場合、最初にアルミデンドライト結晶(初晶Al)が晶出し、凝固が進行するにつれて、デンドライト間に共晶が晶出して凝固が完了します。一方、過共晶合金では、最初に塊状の初晶Siが晶出して、温度が低下すると共晶が晶出し、凝固が完了します。共晶合金であるAC3Aは、Si含有量にもよるが、ほぼ一定の温度で共晶凝固が完了します。

AC3Aに発生する引け巣の形態

亜共晶合金のAC4CやAC2Bは、初晶Alが晶出したあとにデンドライト間の液相が凝固します。このため、押湯が効かないとデンドライト間に細かな引け巣が発生します。いわゆる、ザク巣と呼ばれている形態です。

一方、共晶合金のAC3Aは鋳型壁から内部にむけて層状に凝固が進む、いわゆるスキンフォーメーション型で凝固が進みます。このため、押湯が効かないと内部に粗大な引け巣が発生します。過共晶型の合金(例えばAC9B)の場合も、最終的には共晶凝固するため、内部に粗大な引け巣が発生します。

 

AC3Aの湯流れ性

AC3Aは亜共晶合金に比べて湯流れ性は良好です。

AC3Aの特徴

AC3Aは析出硬化元素であるCuやMgを含有しないために、熱処理をしても強度は向上しません。
したがって、鋳放し(F材)で用いられます。引張強さ、耐力は低いが伸びが高いことが特徴です。

自動車部品としては、応力があまりかからない部位で、衝突時に割れや亀裂が発生しては困る部品(例えばEV電池ケースなど)で使用される場合があります。代表的な機械的性質を表2に示します。

Cuを含有しないことから、耐食性は良好です。ただし、ダイカストのADC1はCu、Feの成分規格値が高いため、腐食に注意が必要となります。

海外の類似合金

表3にAC3AおよびADC1の海外の類似合金を示します。

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今回は、AC3A材の鋳造や特徴について紹介しました。
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