アルミ砂型鋳造とアルミダイカスト鋳造

鋳造方法の違い

アルミ砂型鋳造とアルミダイカスト鋳造は、どちらも、アルミニウム鋳物の製造に用いられますが、鋳造方法が異なります。

 

アルミ砂型鋳造の工程

アルミ砂型鋳造は、①木型製作、②砂型造型、③溶解、④鋳造、⑤仕上げ、⑥熱処理、の工程で行われます。

>>詳しく紹介!アルミ鋳物の製造工程

 

アルミダイカスト鋳造の工程

アルミダイカスト鋳造にはダイカストマシンを用います。①金型製作、②溶解、③ダイカストマシンによる鋳造(離型剤塗布→型閉め→注湯→射出→加圧→型開き→製品取り出し)、④冷却、⑤トリミングの工程で製造されます。

>>詳しく紹介!ダイカスト鋳造とは?工法とその特長について

 

鋳型の違い

アルミ砂型鋳造とダイカスト鋳造について、鋳型の材質も異なります。
砂型鋳造は読んで字のごとく「砂」で作った鋳型を使用します。一方、ダイカストは鋼を機械加工した「金型」を使用します。砂型と金型では熱伝導率が違います。砂は熱伝導率が小さいために、同じ温度のアルミ溶湯を鋳造しても、金型を使うダイカストに比べて凝固速度が遅く、その結果、凝固組織が粗大になります。

鋳肌の違い

アルミ鋳物の凝固組織の粗さは「DAS」と呼ばれる指標で表されます。凝固速度が遅くDASが大きい砂型鋳物は、ダイカストに比べて機械的性質が低くなります。
特に、伸び、靭性、疲れ強さと言った特性値が低くなります。また、ダイカスト品の鋳肌と百数十μmの砂粒でできた砂型の鋳肌では面粗度に違いが生じます。

寸法精度の違い

寸法精度は、ダイカストの方が優れます。
ダイカストは高速高圧で溶湯を鋳型内に充填するため、薄肉で大型の部品の鋳造に適しています。ダイカストは金型内部を水冷しているため凝固時間が短く、生産性が優れます。

試作鋳造における違い

砂型鋳造は一般的に、自動車部品などの試作品を製作するときに用いられます。
試作段階では部品の形状変更が多々発生します。ダイカストの場合、金型の形状を変更するためには、切削と溶接肉盛り加工が必要となります。このため、形状変更のリードタイムと費用が課題となります。

砂型鋳造は木型を用いて鋳型を作るため、簡単に木型の修正を行うことができます。通常、試作台数は数十~百数十台程度ですので、生産台数が少ない部品では砂型鋳造の方が費用的に有利となります。また、製作期間が短いという利点があります。

鋳物形状の違い

砂型鋳造は、複雑な形状の砂中子を使って中空部品が成形できます。ダイカストは、直線的な形状の鋳抜きピンを使って中空形状を成形できますが、複雑な形状には対応ができません。複雑な冷却水通路などを持った製品を鋳造するためには、砂型鋳造が必要となります。

鋳物用アルミニウム合金とダイカスト用アルミニウム合金

一般的に、アルミ砂型鋳造とアルミダイカスト鋳造に使用する材料は異なります。アルミ砂型鋳造には鋳物用アルミニウム合金、アルミダイカスト鋳造には、ダイカスト用アルミニウム合金が用いられます。

鋳物用アルミニウム合金とダイカスト用アルミニウム合金の種類を表1.に示します。
JIS規格では鋳物用合金はJAC**、ダイカスト用合金はADC**の記号が付与されています。鋳物用合金、ダイカスト用合金ともに類似の合金が規定されています。
合金系が同じであれば、鋳物用合金もダイカスト用合金も同様の特性を持っています。

>>詳しく紹介!鋳物用アルミニウム合金とダイカスト用アルミニウム合金の特徴

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