-公的研究機関-
まず熱膨張について以下に示します。
シャフトに使われているS45Cの熱膨張係数は11.2×10-6乗/℃
インペラに使われているAC4Cの熱膨張係数は21.5×10-6乗/℃
雰囲気温度を仮に80℃、シャフト外径、インペラ内径を仮に100mmとします。
シャフトの膨張量は100×(11.2×10-6)×80=0.0896mm
穴径の膨張量は100×(21.5×10-6)×80=0.172mm
となります。
80℃の時に、この膨張量になりますが、室温に戻れば両方とも元の径に戻ります。
従って、熱膨張によりインペラの穴径が大きくなるとは考えられません。
インペラ穴径が大きくなる原因として以下の2つが考えられます。
1.高温になった時の締め代の不足により、シャフトとインペラに微小振動が生じる。
この結果、フレッティング摩耗が生じて柔らかいインペラ側が摩耗する。
2.高温になった時の締め代不足により、微小な隙間が生じる。
この隙間にダスト(微小な砂ぼこり)が侵入し、アルミ側が摩耗する。
砂は非常に硬い物質なので、アルミは簡単に摩耗します。