-ダイカスト鋳造メーカー 従業員数:200名-

T5処理は加熱、保持が終了したら、すみやかに炉外に取り出します。取り出したワークは自然放置にて冷却しております。

砂型、金型のアルミ鋳物でのT5処理の場合は製品の変形や寸法変化はありません。
しかし、ダイカストの場合は鋳造時に急冷されることで、アルミ基地の中にSiやCuといった元素が固溶しています。
鋳物で言えば溶体化→焼入れした状態です。

この状態からT5処理をすると固溶していたSi、Cuが析出して寸法が大きくなります。
この現象を永久成長と言います。
ダイカスト品をT5処理せずに、組み付けて熱がかかった場合、寸法が変化してしまいます。
これを防止するためにT5処理して寸法を安定化させてから加工します。
T5処理の温度が高いほど、時間が長いほどダイカスト粗材は成長して寸法が大きくなります。
背反事項として硬さは低くなります。