-自動車部品メーカー 従業員数:6000名 プライム市場上場-


アルミの溶接に関するあるあるについて、少しお話しします。

アルミニウムは大気中の水蒸気と反応して、水素ガスを吸収します。
その結果、溶接部にガス欠陥が発生し強度低下につながります。
対策としては、溶接部にアルゴンガスなどを流して、大気と遮断して溶接します。
これをシールドガスと呼んでいます。
溶接の移動速度が速い場合はシールドが切れてガス欠陥が発生する場合があります。

溶接部の周囲は熱影響により、焼きなまされた状態になり強度が低下します。
これをHAZ部と呼びます。
通常、鋳物も6000系の押出材もT6またはT5の熱処理を施します。
その後に、溶接をするとHAZ部の強度は低下します。
溶接部は冷却速度が速く、組織も細かく、固溶元素の析出もあるため、HAZ部より強度は高くなります。
構造体の中で、応力が高くない部分に溶接部、HAZ部を持ってくることが必要です。