-部品加工メーカー 従業員数:30名-


熱膨張、熱収縮を利用して圧入する方として、焼き嵌め、冷やし嵌めがあります。
冷やし嵌めは低い温度に保持することが難しいので、一般的には焼き嵌めが行われます。

今回の場合、7075の穴に5052のスリーブを装着するとのこと。
仮に、スリーブの径が20mmだとして計算します。
圧入の締め代を0.1mmとすると、7075の穴径は19.9mmにしておく必要があります。
穴径が19.9mm7075を加熱して、穴径を20mmに広げるためには、何度に加熱するかを計算します。
7075の熱膨張係数は23.4×10の-6乗です。
広げる寸法0.1mm=19.9mm×23.4×10*-6×(T-20℃)
Tは加熱温度で、室温を20℃としています。
計算すると(T-20℃)は215℃となり、Tは235℃になります。

7075を235℃に加熱してスリーブを挿入すればよい計算になります。
ただし、挿入時のクリアランスは0として計算しています。

また、7075にはアルマイトはかかっていないことを前提にしています。
アルミの熱膨張係数は約24×10*-6程度ですが、アルマイトの熱膨張は、その約1/5程度です。
アルミ素地が膨張する時に、アルマイト皮膜が追従できずに皮膜に割れが生じます。
アルマイト処理品の加熱温度は100℃以下にする必要があります。