◆アルミ溶湯の清浄方法について

 

アルミ溶湯に混在した酸化物を除去する方法としては、フラックス処理が一般的です。
フラックスには、NaClやKFなどの金属塩が用いられます。

これらの混合物を溶湯の表面に散布し、攪拌することでフラックスが溶けて溶湯中に溶け込みます。
アルミ酸化物は溶湯との比重差が小さいため、溶湯中に浮遊しています。

塩化物フラックスは、酸化物を包み込んで浮上させる働きを持ちます。
浮上した酸化物はアルミ溶湯と混ざり合っていますが、フッ化物フラックスが介在物(ノロ)とアルミ溶湯を分離させます。

最後に、分離した介在物(ノロ)をすくい取って除去します。

 

フラックスによる溶湯の清浄化

 

◆アルミ溶湯の管理方法について

 

溶湯の清浄度は、Kモールド法という方法で判定します。

まず、溶湯をすくい取り、アルミ製の鋳型(Kモールド)に注湯します。
得られた平板(TP)に薄く切り込みを入れ、叩き割って破面を出します。

破面を目視、または10倍の拡大鏡で観察し、介在物(黒点)の数を数えます。
介在物の個数を破面数で割った値がK値であり、この値の大小によって溶湯の清浄度を判定します。

なお、ダイカストの場合は、高速で溶湯を金型内に射出するため、
溶湯中に酸化物が多少含まれていても大きな問題にはなりません。

一方、重力鋳造や低圧鋳造では、溶湯の清浄度が品質に大きく影響するため、
酸化物の混入は問題となります。

簡易評価方法

 

◆アルミ溶湯の清浄方法と管理方法に関連する用語集

 

・「脱滓」については下記をクリックしてください

https://marusank.jp/glossary/%e8%84%b1%e6%bb%93/

・「溶湯処理」については下記をクリックしてください

https://marusank.jp/glossary/%e6%ba%b6%e6%b9%af%e5%87%a6%e7%90%86/