室温と100℃では、引張強さも疲労強度も低下はします。ただし100℃程度であれば、大きく低下しない場合が多いと思います。低下幅としては、感覚的には数%程度に収まるケースが多いのではないかと推測します(合金系や熱履歴、試験条件で変わります)。
金属材料はどの材料でも温度が高くなれば、強度は低下します。鋼、アルミ、マグネシウムなど材料によって、室温と比べて大きく低下し始める温度域が異なります。アルミ鋳物の場合は、150℃あたりを超えると低下が目立ってくる印象です。
高温でアルミの強度が低くなる理由は二つあります。一つはアルミ自体の強度が温度で低下すること。もう一つは、T6材では熱が加わることで時効析出が進み、長時間の加熱では過時効により強度が低下することです。このため、高温強度データは「熱履歴」の影響を受けます。試験温度であらかじめ長時間加熱してから試験したデータと、短時間保持で試験したデータでは、引張強さや疲労強度の値が変わります。文献によって値が異なるのは、この熱履歴条件の違いによる部分が大きいと思います。
一般に、室温と250℃では明らかに差が出ますが、室温と150℃では大差がないと見てもよいデータもあります。従って100℃であれば、室温と比べて若干低くはなるが、大きくは低下しないと考えてよいと思います。なお、鋳物の疲労強度は温度だけで決まるものではありません。切欠き部の応力集中(鋭角形状)、鋳造欠陥、T6処理時の残留応力などの影響が大きく、これらの影響の方が100℃の温度差より支配的になる場合も多いと思います。














