砂型鋳物の硬化方法にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、基本的には鋳物メーカーが保有している砂の混錬・造型装置に依存します。鋳型に使用される砂は、生砂のほか、無機バインダーや有機バインダーを用いたものがあります。砂粒同士はそのままでは結合しないため、砂を固めるにはバインダー(粘結剤)とそれを硬化させる硬化剤が必要です。

 

生砂では、粘土と水をバインダーとして用います。水を使用するため、アルミ鋳物には不向きですが、鋳鉄では広く使われており、大型鋳物の造型にも対応可能です。

 

無機バインダーとしては、水ガラス(バインダー)+炭酸ガス(硬化剤)の組み合わせ、いわゆるCO₂型が一般的です。CO₂型は造型後に硬化が進行して脆くなる傾向があり、また砂の再生が難しいという欠点があります。

 

有機鋳型は、樹脂をバインダーに用いたものです。有機鋳型にはさまざまな種類があり、代表的なものにシェルモールド(熱硬化型)とコールドボックス(ガス硬化型)があります。これらは主に中子製作に用いられ、特にシェルモールドは金型に砂を吹き込んで焼成するため、量産に適しています。ただし、シェル型は砂の再生に手間がかかるというデメリットがあります。

 

熱やガスを使わずに、造型する自硬性鋳型も存在します。中でも有機自硬性鋳型は少量生産に適しており、使用される樹脂の種類によりフラン型、フェノール型、ウレタン型などに分類されます。この中で最も多く使われているのがフラン型で、砂の再生効率が高く、砂詰めや硬化時間の調整がしやすいことが特長です。ただし、硬化反応時に水が発生するため、ガス欠陥には注意が必要です。

 

造型法の特徴

 
生砂型
・硬化剤を使用する造型法と異なり、小物、大物、肉厚の差異によらず造型が容易
 
熱硬化型(シェル)
・砂の流動性が良く、複雑な形状に対応可。金型と加熱装置が必要
・砂の再生が困難
 
ガス硬化型(CO2)
・乾燥が不要で硬化速度が速い。ガスの吹き込み装置が必要
・砂の再生が困難
 
有機自硬性型鋳型
・砂の流動性が良く加熱やガス吹き込みが不要。化学反応で自然い硬化する
・砂の再生が容易
・樹脂の種類により長所、短所がある
 
分類表などを示したコラムもご覧ください